肉を美味しく保存する方法とは?冷凍する際の注意点も解説

肉を美味しく保存する方法とは?種類別の保存期間や冷凍する際の注意点も解説

肉は冷凍保存しておけばいつでも料理に使えて便利なため、まとめ買いをする方も多いのではないでしょうか?「肉を冷凍すると味が落ちる…」と思われがちですが、正しい冷凍方法を押さえておけば、家庭の冷凍庫でも美味さをキープしたまま長期保存が叶います。


この記事では、肉を美味しく冷凍・解凍する方法を詳しく解説します。肉の冷凍・解凍の正しい方法をマスターすれば、安心してまとめ買いができますよ。



肉を冷凍する際の具体的な注意点やポイントをチェックして、日々の暮らしに生かしてみませんか?

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肉を正しく冷凍保存する方法

肉を冷凍保存する際の注意点

肉を長く保存したい場合は冷凍保存がおすすめですが、肉や冷凍庫の特性を押さえておくことで美味しく保存できる期間が異なります。簡単な方法やコツを実践することで、日持ちが大きく変わることもあるでしょう。


ここでは、肉の種類を問わず、冷凍保存する場合に気を付けたい共通のポイントを紹介します。

トレイに入れたまま冷凍しない

トレイに入れたまま冷凍しない

スーパーで購入した際に、肉が入ったトレイのまま冷凍庫に入れる方法はおすすめできません。冒頭でもお伝えした通り、スーパーで陳列されていた肉は、温度変化でドリップが出ている可能性があります。ドリップごと冷凍すると、臭みが残ってしまい美味しさをキープできません。


美味しさを保ったまま冷凍するには、ドリップをキッチンぺーパーで拭き取り保存しましょう。また、トレイの底にドリップ吸収シートがある場合は、必ず取り除いて冷凍する必要があります。


トレイのまま肉をすべて冷凍すると、解凍後使い切れず困る可能性があります。使い切れない分を再冷凍すると、味も風味も格段に落ちますし、衛生的にもおすすめできません。



特に一人暮らしの方は、パックされた肉を一度に消費するのは難しいので、使い切れない分はすぐにトレイから取り出し、小分けにして冷凍すると日持ちがして便利です。


なるべく空気を抜く

なるべく空気を抜く

肉に限らず食材全般にいえることですが、食材を保存する際に気を付けなければならないのが「酸化」です。

食材は空気に触れて酸化することで、味・風味・見た目のすべてが劣化していきます。肉を冷凍保存する方法として、できるだけ空気に触れないように工夫することが重要です。


具体的には、冷凍可能なラップを肉に密着させて包むこと。そのうえで、冷凍用保存袋に入れて冷凍庫で保存すると安心です。


肉は均一に並べて、空気を追い出すようにぴったり包みましょう。薄切り肉の場合は、同じ高さになるように並べ、鶏肉は厚みが均一になるよう包丁で整えてから包みます。そうすることで空気に触れる面を少なくでき、酸化防止につながりますよ。



空気に触れないように、肉を真空保存できる道具を使用するのも有効です。真空保存ポンプや真空保存バッグを使用すれば、自動で簡単に真空保存が叶います。わずか数秒で真空にできるので、時短で冷凍保存ができますよ。

急速冷凍する

急速冷凍する

肉を美味しく冷凍保存する方法として、急速冷凍も重要なポイントです。急速冷凍することで、肉からドリップが漏れ出るのを防げます。ドリップには旨味成分も含まれているため、できるだけ無駄なドリップを出さないようにする保存方法が望ましいです。


また、完全に冷凍するまでの時間が短いほど、菌や微生物の繁殖を防げるメリットもあります。そのため、長く美味しく保存するための方法として、急速冷凍はとても有効です。


家庭の冷凍庫で急速冷凍するためには、ラップや保存袋で包んだあと金属製のトレイに肉を置いて冷凍したり、保冷剤を肉にのせて冷凍したりする方法があります。ご家庭の冷蔵庫に、急速冷凍機能がある場合はぜひ活用してください。


完全に冷凍するまでに時間がかかると、美味しさが失われてしまうので、購入後できるだけ素早く冷凍庫に入れるのも、美味しく保存する方法といえるでしょう。

小分けで保存

小分けで保存

まとめ買いした肉や、一人暮らしの方で一度に食べる分量が少ない場合などは、小分けにして冷凍する方法がおすすめです。小分けにすることで、完全に凍るまでの時間が短く済むことから、急速冷凍にもつながります。また、小分けで冷凍保存しておくと使い切りやすく便利です。


まとめ買いした肉を小分けにせずそのまま冷凍すると、解凍後使い切れない分は冷蔵庫に移すことになります。一度解凍した肉を冷蔵庫に移すと、ドリップが出やすく美味しさを逃してしまうので注意しましょう。



どの料理にどれくらい使うかを想定して小分け保存する方法が、冷凍した肉を美味しく食べ切るコツです。特に一人暮らしの方は、まとめ買いすると使い切るのに時間もかかるため、購入量にも注意し、すぐに使わない分は小分けにして冷凍保存するとよいでしょう。

下味保存する方法もおすすめ

下味保存する方法もおすすめ

食事作りを楽にするために、下味冷凍する方法もおすすめです。冷凍前に下味をつけておくと、解凍後の調理時間の短縮につながります。また、下味冷凍することで調味料が染み渡り、肉がやわらかくなるメリットも見逃せません。


下味冷凍の方法は、最初に肉を食べやすい大きさに切り、調味料と合わせて冷凍できる保存袋に入れます。できるだけ平らに伸ばして広げ、空気を抜いて密封し、冷凍庫に入れてください。肉だけでなく、切った野菜も一緒に保存袋に入れてしまう時短調理テクニックもありますよ。


この方法で冷凍しておくと、解凍後は炒めたり焼いたりするだけなのでとても簡単で便利です。食べるときは調味料の計量や野菜の下準備も不要なので、時短で食事の準備ができます。一人暮らしの方は、一人用の分量にいくつかセットして下味冷凍しておくと、気軽に楽しく自炊ができますよ。



下味冷凍する際も、真空保存することで酸化を防ぎ、日持ちが長くなるメリットがあります。方法は、真空用の保存袋に肉と調味料を入れ、真空ポンプで空気を抜くだけ。通常の下味冷凍とほぼ同様の手順で、真空下味冷凍ができておすすめです。

肉を冷凍保存する際の注意点

肉を冷凍する際の注意点

肉の旨味を逃さず、品質をキープしたまま冷凍保存するために、特に気を付けておきたいポイントについて解説します。

また、やってしまいがちな間違った保存方法やその理由、どうしたらよいのかについても具体的に見ていきましょう。

野菜の保存方法はどう判断する?

パックのまま冷凍しない

肉を冷凍保存する場合、購入時に肉が入っているパックのまま保存する方法はおすすめできません。スーパーに陳列されている間や持ち帰るまでの間の温度差で、肉からドリップが出ている場合があるからです。

このドリップは臭みの原因になるため、冷凍保存する場合は必ず取り除きましょう。パックの底に敷いてあるドリップを吸収するためのシートも、衛生上取り除き、肉についた余分なドリップも拭き取っておくとよいです。


また、スーパーでよく見かけるプラスチック製のパックは熱伝導が悪く、急速冷凍したい肉の保存には向きません。腐らないよう肉を温まりにくくする効果がある反面、冷凍する場合は冷凍効率を下げてしまうのです。



さらに、パック詰めされた食材は空気に触れる面が大きく、酸化しやすいデメリットもあります。日持ちを長くするためには、できるだけ空気に触れる面積を少なくする必要があります。

これらの理由から、パックのまま冷凍することは避けたほうがよいでしょう。

野菜の保存方法はどう判断する?

保存容器で冷凍しない

肉を冷凍保存する場合、保存容器に詰め直す方法はおすすめできません。パックのまま冷凍するのがNGな理由と同じで、保存容器に入れると空いたスペースがある分、肉と空気が接してしまうからです。空気に触れると酸化するだけでなく、乾燥によるパサつきの原因になります。



空気に触れないよう保存する方法が、肉を美味しく日持ちさせるポイントです。保存容器に入れて冷凍庫に入れたい場合は、肉をラップで空気が入らないように包んだうえで、保存容器に入れるとよいでしょう。

冷凍保存が適する肉とは

冷凍保存が適する肉とは

冷凍保存がおすすめなのは、使う頻度が高い肉です。冷凍保存は日持ちが長くなるメリットがありますが、温度管理が難しい家庭の冷凍庫で保存した肉は、できるだけ早く食べ切りたいところ。



冷凍庫に入れると、使い忘れて長期間放置してしまう心配もあります。そのため、冷凍保存で肉をストックする場合は、家庭でよく使う肉を選ぶとよいでしょう。

冷凍保存した肉の解凍方法

冷凍保存した肉の解凍方法

適切な方法で冷凍した肉も、解凍に失敗すると美味しさを逃してしまう場合があるので注意が必要です。どんな方法で解凍するかにより、解凍後の肉の状態や解凍にかかる時間が変動します。また、肉をどのような料理に活用するかによって、適切な解凍方法が異なります。



ここでは、肉を上手に解凍する具体的な方法や、避けた方がよい解凍方法について詳しく見ていきましょう。

氷水で解凍する方法

氷水で解凍する方法

冷凍した肉の温度が急激に上がる解凍方法は、肉の旨味が損なわれたり、品質の劣化につながったりするためおすすめできません。レンジ解凍や流水解凍、常温で解凍する方法は、肉の温度変化が大きいため、避けた方がよいでしょう。


特に常温解凍は、肉の中心が完全に解凍する前に表面の温度が常温まで上がってしまい、菌が繁殖しやすくなるため危険です。急いでいるからといって、常温に出しっぱなしで解凍すると、食中毒になる恐れもあります。


また、レンジ解凍や流水解凍は解凍ムラが起こりやすく、ドリップが出やすい特徴があります。そのため、中心まで完全に解凍させるのではなく、半解凍で止めておくのが無難です。肉の調理方法にもよりますが、半解凍で調理可能な場合はレンジ解凍・流水解凍も検討しましょう。



レンジ解凍は特にムラが起こりやすいため、一気に加熱せず様子を見ながら少しずつ解凍します。流水解凍は、流水が当たる部分から解凍がすすむため、ときどき肉を動かして様子を見て解凍してください。

冷蔵庫で自然解凍する方法

冷蔵庫で自然解凍する方法

冷凍保存した肉を、そのまま冷蔵庫に移して解凍する方法もあります。この方法も、肉の温度が急激に上がることを防げるため、旨味成分を含むドリップの流出を最小限に防げます。冷蔵庫に移すだけなので、手間がかからない点も冷蔵庫で自然解凍する方法の魅力のひとつです。


しかし、この方法も完全に解凍するまでに時間がかかるデメリットがあります。冷凍した肉を使用する時間を見越して、早めに冷蔵庫に移しておくとよいでしょう。


冷蔵庫で自然解凍をする場合、ブロック肉や鶏もも肉のような厚みのある肉は、中心まで解凍するのに半日以上時間がかかることもあります。中心が凍ったまま調理すると、仕上がりに影響が出る場合もあるので、時間に余裕をもって解凍してくださいね。


共働きや一人暮らしの方で、帰宅後すぐに調理したい場合は、前日の夜または当日の朝に冷蔵庫に移しておくとよいでしょう。

レンジ解凍・流水解凍・常温解凍は避ける

レンジ解凍・流水解凍・常温解凍は避ける

冷凍した肉の温度が急激に上がる解凍方法は、肉の旨味が損なわれたり、品質の劣化につながったりするためおすすめできません。レンジ解凍や流水解凍、常温で解凍する方法は、肉の温度変化が大きいため、避けた方がよいでしょう。


特に常温解凍は、肉の中心が完全に解凍する前に表面の温度が常温まで上がってしまい、菌が繁殖しやすくなるため危険です。急いでいるからといって、常温に出しっぱなしで解凍すると、食中毒になる恐れもあります。

また、レンジ解凍や流水解凍は解凍ムラが起こりやすく、ドリップが出やすい特徴があります。そのため、中心まで完全に解凍させるのではなく、半解凍で止めておくのが無難です。肉の調理方法にもよりますが、半解凍で調理可能な場合はレンジ解凍・流水解凍も検討しましょう。


レンジ解凍は特にムラが起こりやすいため、一気に加熱せず様子を見ながら少しずつ解凍します。流水解凍は、流水が当たる部分から解凍がすすむため、ときどき肉を動かして様子を見て解凍してください。

冷凍焼けの見分け方

家庭の冷凍庫で肉やその他の食材を保存する際、気を付けたいのが冷凍焼けです。

冷凍焼けとはどのような現象で、どうなってしまうことなのでしょうか?

ここでは、冷凍焼けとはどのような状態なのか、予防方法も含めて詳しく見ていきましょう。

冷凍焼けとは?

冷凍焼けとは?

冷凍焼けとは、冷凍保存中の食材から水分が抜けて乾燥や酸化が進んでしまう状態のことを指します。実際に水が溶け出るわけではなく、「昇華」という現象で水が気体となって蒸発してしまうのです。


水が抜け出ることで、食材がパサパサした食感になってしまいます。また、水分の昇華と同時にタンパク質や脂質も変質するため、見た目が白や黄色に変色したり、臭いや味が悪くなったりすることも。



冷凍庫内はとても乾燥しており、食材を長期間保存すると冷凍焼けしやすくなります。冷凍保存は長期間日持ちがして便利ですが、冷凍焼けしないよう基本の保存方法を押さえておくことが大切です。

家庭で冷凍したお肉の保存期間について

家庭で冷凍したお肉の保存期間について

家庭で冷凍した肉を美味しく食べられる保存期間は、肉の種類や保存状態によって異なります。肉を冷凍する前に、それぞれの保存期間をチェックしておきましょう。

牛肉

牛肉

冷凍した牛肉は、傷みやすい脂肪分が他の肉と比べて少ないため、豚肉や鶏肉に比べて保存期間がやや長めに設定されています。


薄切りやステーキ肉、ブロック肉など、大抵の牛肉は冷凍保存で1ヶ月程度は美味しく食べられます。カットの方法や保存状態により保存期間が短くなる場合もあるので、冷凍してから2~3週間で肉の状態を一度確認しましょう。

豚肉

豚肉

冷凍した豚肉は、牛肉の次に保存期間が長く3週間~1ヶ月程度は美味しく食べられます。肉は空気に触れる面積が大きいほど傷みやすいため、ブロック肉よりも薄切り肉の方がやや保存期間が短くなるのが一般的です。



冷凍してから3週間~1ヶ月が目安ですが、保存期間に関わらず早めに使い切るとよいでしょう。

鶏肉

鶏肉

鶏肉は、牛肉や豚肉に比べて水分量が多く傷みやすいため、他の肉に比べて保存期間はやや短めです。もも肉やむね肉、ささみなど、いずれの部位も冷凍してから3週間~1ヶ月以内に使い切りましょう。


また、鶏肉は食中毒の原因となる菌(カンピロバクター)が繁殖しやすいため、解凍後は速やかに調理することをおすすめします。

ひき肉

ひき肉

ひき肉は、他のカット方法に比べて保存期間が短く、冷凍後2週間以内が目安です。薄切り肉やブロック肉と比べて空気に触れる面が圧倒的に多く、酸化や乾燥により傷みやすいためです。


また、冷凍庫の開閉回数や保存状態によっては、上記期間よりも早めに使い切った方がよい場合もあります。ひき肉の状態をよく確認して早めに使い切りましょう。

保存期間をのばすコツ

保存期間をのばすコツ

冷凍肉を少しでも長く美味しく食べるためには、鮮度の高いうちに冷凍するのがおすすめです。購入時にできるだけ鮮度のよい肉を選ぶのはもちろん、購入後なるべく早く冷凍庫に入れて保存すると長持ちします。


また、冷凍する際は購入時に入っていたパックのまま保存するのではなく、小分けにしてラップや冷凍用保存袋に入れて保存するのも長持ちさせるコツです。



できるだけ空気に触れる面を少なくし、密閉することで酸化や乾燥から肉を守りましょう。このひと手間を加えることで美味しさと鮮度をキープできます。

料理研究家/調理師・食育インストラクター

馬原 香織 監修



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